2017年07月25日

任期4年を振り返りますPart5

 今回は、産廃問題について振り返ります。今期4年は、南部企業団地への㈱タナカ興業の進出で南部地区が大きく揺れました。H25年11月に現市議会の任期が始まりました。既にその半年以上前のH25年4月には、㈱タナカ興業が㈱ケンメイ跡地を落札していました。

 新人議員は、議員になって初めて産廃問題を認識しました。当然、僕も議員になって初めてこの問題を知ることになりました。新議会の活動が始まるとともに、南部地区を中心とした住民から心配の声が表面化し、説明を求める流れが大きくなりました。年を明けて、㈱タナカ興業からの説明会が黒田地区で行われましたが、続いて予定されていた一鍬田地区の説明会は、住民の中から説明会は受け入れないとの声で、急きょ中止されました。

 情報がないため、地区住民の不安は増幅され、「操業絶対禁止」「猛烈な悪臭を発生する企業が来る」「一度産廃進出を許せば、新城市が産廃銀座になる」「話し合いを持つことは操業を認めること」など大反対運動につながっていきました。

 僕は、当初から事実に基づいた対応が必要と考え、事実確認を始めました。対応を検討していた住民組織の会議にも度々出かけ、住民の方の議論に参加していました。しかし、明確に「進出反対」を主張するにつれて、住民と僕の距離が開いていきました。「話し合い=操業容認」(進出反対を主張する住民組織)と「事実に基づく解決のため、㈱タナカ興業と話し合うべき」(僕の主張)と主張の違いが明確になりました。

 それでも、放置していたわけではなく、経済建設委員会を中心に㈱タナカ興業問題を継続して取り組みました。㈱タナカ興業の社長からの委員会での説明会実施、㈱タナカ興業の細谷工場の視察、㈱タナカ興業の発酵肥料の施肥現場の視察、施肥後の作物の生育状況の確認、「新城の環境を考える市民の会(以下、市民の会)」が発酵肥料を不法投棄していると指摘した畑の調査とその畑の栽培者への聞き取り調査、市民の会の代表者(山本拓哉氏)からの聞き取り、施肥条例の提案、委員会としての調査・活動報告(産廃対策会議、議会としての報告会の場での報告)などを行ってきました。

 市民の会が行った土壌分析では、法を無視した勝手な検査方法であることが明確であったわけですが、中日新聞が飛びつき「ヒ素を検出」との大誤報(他の新聞は取り扱いせず。愛知県、田原市、施肥農家自身の検査では基準以下を確認)を発信。これが、住民の不安を拡大し、㈱タナカ興業問題をややこしくしていきました。ますます、「話し合い」を遠ざけ、「進出反対」が鮮明になっていきました。経済建設委員会の場に市民の会代表の山本拓哉氏に出席を求め、法に基づかない検出方法であったことを確認しています。

 愛知県の操業許可が下りてからの操業による臭いの発生については、苦情に基づいた対応、市の臭気測定なども定期的に繰り返してきましたが、違法な状態は確認されていません。産廃対策会議で求めた環境保全協定も合意が得られず、㈱タナカ興業の操業は、法律違反がない限り、継続されていきます。住民は、いつまでも不安が解消できない状況となっています。弁護士に相談をしているようですが、「継続的な調査が必要」が解決策ということでしょうか。

 不安を和らげる方法は、僕が当初から主張してきた、㈱タナカ興業との話し合い、つまり環境保全協定の締結が一つだと考えています。お互いが話し合いの場に着くことができれば、臭いの解決のための協力関係も不可能ではありません。これまで様々な問題において、住民と企業との協力(住民の苦情解決のために企業が努力する)による、技術向上も解決の一助になっていると思います。今回の下水道汚泥・食料品残さの有効活用は、循環型社会の実験でもあります。無理な事業かどうかの見極めのためにも、まず話し合いのテーブルに住民、企業、行政が着く事が必要だと考えています。最初からの考えですが。

 ㈱タナカ興業の発酵肥料=産廃=悪と簡単にくくるべきではないと考えてきました。㈱タナカ興業は、法律の範囲で操業を続けています。㈱タナカ興業=悪と決めつけては、現在の状況は何も変わらないでしょう。市長は、「進出反対」を唱えてきた市民の会とは、正式に話し合いを持つことはありませんでした。市長は、住民と㈱タナカ興業との話し合いを粘り強く働きかけることもありませんでした。そのため、南部の行政区役員は、自ら矢面に立たざるを得なくなり、大変な苦労を経験することになりました。市長の責任放棄だったと考えています。

 市民の会の代表である山本拓哉氏は、次期市長選に出馬表明しています。これまで何回も指摘してきましたが、山本氏の反対運動は、市民の立場であったから許されてしまったようなものでしたが、市長という公の立場では到底許されないものでした。法に基づかない検査でのヒ素問題発信、法律違反を犯していない私企業を名指しで非難、解決策を示さないままでの反対運動の継続など、無責任な行動であったと考えています。

 「あなたが市長であったら、どの様に解決したのか?」と、早く聞いてみたいものです。議員の立場も鮮明になりました。新城市議会で山本氏と同調する言動を行ってきたのが浅尾議員です。次期市議選に二人目の日本共産党候補として立候補を目指している、川合守氏も同様な主張を繰り返してきました。自分が納得できないからと言って、一私企業を法律違反の根拠も示さないまま反対運動を続けることは、「市民の声」のはき違えとも言えます。

 ㈱タナカ興業問題から議員を評価します。議会としての動きは十分とは言えませんが、経済建設委員会が組織的に関わってきました。前期委員長は滝川議員でした。滝川議員は、「新城市の田畑が産廃肥料の不法投棄場所になる」との心配に応えて、住民の声をくみ取り施肥条例づくりに努力し、農業生産に必要以上の施肥とならないための防止条項を規定しました。

 後期委員長は山口議員でした。滝川議員の時と同様に、問題発生があれば委員会内での討議に心がけながら、㈱タナカ興業問題を継続して監視してきました。議員の中で、以上2人が評価に値する役割を果たしてきたと考えています。逆に浅尾議員は、一般質問での取り上げ回数が議員内ではトップでしたが、解決策を提案できないまま、市政批判を繰り返してきただけと言えます(自分が市長だったらどうするのか?)。他の議員では、㈱タナカ興業問題が浮上してきた当初、小野田議員が若い女性との交流(現在のママの会の方たち)を続けていましたが、後半は考え方の違いからそれらの方と離れ具体的な関与はできていません。

 また、中西議員は、度々一般質問で取り上げていましたが、住民の声を代弁する程度で、解決策を提案することはありませんでした。他の議員にとっては、「対岸の火事」程度であったように思います。ただ、今年度4月から委員会所管が変わり、㈱タナカ興業問題は厚生文教委員会に移りました。議会報告会で、今後について住民から質問された山崎厚生文教委員長は、「所管がかわったばかり。すべては白紙から始まる」と、自らの考え方を示すことは出来ませんでした。どうも、山崎議員の無責任ぶりが気になります。

 ㈱タナカ興業が新城で動き始めて約5年もの間、㈱タナカ興業問題を解決できなかった要因に、市長・議会自身が解決しようという意思を示さなかったことがあります。市民の会が何をやろうと、直接の関与を避けるかのように、傍観していただけでした。僕は、少しでも早期解決のためにと考え、委員会活動にも積極的に関わり、市民の会の代表山本拓哉氏には何回も苦言を呈し、公開での話し合い(山本氏が拒否)も提案してきました。市民の会からは、「産廃容認議員」と言われていましたが、議員として傍観者であってはならないという信念で、筋を曲げず主張を続けてきました。
posted by 地産池消 at 08:48| 愛知 ☁| Comment(1) | 市議会の出来事 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
折角のまとめですので,ひとつ訂正を。
また,2016.9.28と2017.1.3のこのブログにコメントをしていますが,別の角度からコメントします。

>「続いて予定されていた一鍬田地区の説明会は,住民の中から説明会は受け入れないとの声で,急きょ中止されました。」
 前にも指摘しましたが,当日は,冒頭の八名区長会長の挨拶の途中でストップがかかり,続いて区長会長と市の対応を非難・追及する発言が会の終わりまで続きました。会の後半に「説明を聞くことは進出を認めることになる。」との発言はありましたがこれに関する議論はなく,会の流れは変わりませんでした。別室に待機していた工場長達は何時の時点か誰かの判断でお帰りになっていました。

>「㈱タナカ興業は,法律の範囲で操業を続けています。」
だから問題が無いということではありません。
「(悪臭について)規制値以下でも指導をしてゆく」というのは環境部長の答弁です。
別の角度から。
下水道汚泥の排出者は県などの自治体です。
下水道汚泥処理の行政が大きな問題なのです。
○愛知県の場合(H28.11.11,建設部下水道課による八名区長会への説明)
 県内の流域下水道は現在11ある。①矢作川,②境川,③衣浦西部,④衣浦東部,⑤豊川,⑥五条川左岸・⑧同右岸,⑦日光川上流域・⑩同下流域,⑨新川東部・⑪同西部
 全体から出る汚泥(脱水ケーキ換算)は19.2万t,うち肥料原料は1.8万t(9.6%),処理はリスクを分散するため県内外15~16社に出している。
汚泥の処理は,①と③と⑤と⑥は焼却炉で処理している。④は汚泥を炭化燃料化して火力発電所で利用している。②は多くを④に運び炭化燃料化し,残りは脱水ケーキで有効利用している。処理場建設には反対運動もあり遅れることもあった。焼却炉は保守のため停止することがありそのときは汚泥を他の処理場で焼却処理したり,脱水ケーキで有効利用先に搬出している。⑦~⑪は整備途上であるが土地は確保している。

 つまり,どの流域下水道も汚泥を焼却処理するに必要な土地は確保されている。焼却場が未整備である日光川上流域,同下流域,五条川右岸,新川東部,同西部の処理場からでる脱水ケーキの一部は有効利用の観点から堆肥化しているということになります。
 有効利用という方針があるなら,堆肥化施設の用地は,焼却施設同様に県が適地に設けるべきであり,新城南部企業団地に持ってくるのはどう考えても不適切だということです。(と面会の席上でも指摘した。)

○堆肥化を民間事業者に委託する場合の問題点として
> 「下水道汚泥の処理処分の委託の際に,コストカットという観点から価格のみで判断をされる自治体も多くあるかと存じます。」,「低価格入札によって下水道汚泥の処理委託を受けている企業ほど悪臭対策や完熟製品化には無関心であり周辺に問題を起こしている。」,「安かろう悪かろうが横行すると,処理施設の周辺住民は生活環境を脅かされてしまいます。」(2017.2.23,衆議院予算委員会第六分科会質疑)

 つまり,例えば「低入札価格調査制度」や「総合評価方式」等により優良企業を評価し,悪質事業者を排除する制度となっているかということです。県がきちんと“技術審査” を行い,施設や運用の改善を誘導することが必要です。適地移転が最適ですが,悪臭の発散防止のために行政がやるべきことは沢山あるということです。
 これは,県の環境部(資源循環推進課),建設部(下水道課),新城設楽振興事務所(環境保全課)にまたがる事柄ですから,連携して頂かねばなりません。そこに市が積極的にコミットしていただく必要があると思います。

 最近あるアンケートを拝見しました。
設問:南部企業団地産廃施設についてあなたの意見は?
回答選択肢: ①悪臭がなくなるように市は強力な行政指導を ②操業を中止し出て行ってもらいたい ③市の対応は無責任である ④解決済みであり騒ぐことはない ⑤解らない

この①と②はどちらかを選択する問題なのでしょうか。
 「操業を中止し出て行ってもらいたい」(操業阻止以外に周辺地域への悪臭被害を止める方法はない“操業阻止・撤退要求”)とする考え方からは「悪臭がなくなるように市は強力な行政指導を」との考えは“産廃容認”であり許せない,という構図が出来上がり地域に「不協和音」が生じてきました。
 今,多くの方は 「操業を中止し出て行ってもらいたい」,が早急にそうはなりそうもないから「悪臭がなくなるように市は強力な行政指導を」と思っているのではないでしょうか。
 株式会社動研の社長は「タナカ興業に出て行けとは言っていない。臭いを止めてくれと言ってるだけ。今の技術をもってすれば,お金をかければ臭いをとめることができるだろう。」と発言しています。これまで社長の発言は“操業阻止・撤退要求”の立ち位置からは “容認派”とされてきたものですが,今,社長を“容認派”と非難する声は聞きません。

>お互いが話し合いの場に着くことができれば,臭いの解決のための協力関係も不可能ではありません。
 タナカ興業は,反対の旗を降ろさない限り住民と話し合わないと言っていると伝えられています。反対の旗には,そもそもどう考えても不適切なところに「虚を突いて裏口から入った」ことに対する意味もあります。また,「操業阻止以外なし」とする方針に期待し支持する方々も多くいます。今は,話し合いの場に着ける状況ではないでしょう。

 これらのことから,私は当面「行政に対して,事業者が施設を改善し,操業管理を徹底して,悪臭を発散させないよう強力に指導することを求める。」こと,「国会,県議会,市議会に対して,悪臭発散問題の解決を継続して訴えていく。」こと,つまり反対の旗をそのままに,“下水道汚泥処理の行政の改善要求”が今できることと考えています。 

 企業団地に目的外企業の進出を規制する(再発を防止する)ための「地区計画」は,H26年度当時は半年でできると聞きましたが,「今なお検討中」(今6月定例会一般質問答弁),全市的に検討されている悪臭規制の改正も未だ調査中? 
 この「産廃問題」はどのようにしたら解決(「苦情が出ない状態」)できるのか,事業者が自主的に万全の対策をしていただくことが早道ですが,公開政策討論会にも期待したいと思います。
Posted by 小林勝則 at 2017年07月27日 08:17
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