2017年03月26日

地域おこし協力隊活動に思う

 3/22(水)、午後1時30分から、政策会議室において、平成28年度地域おこし協力隊の活動成果報告会が開催されました。今年度は、5名の隊員が活動を行っていました。内4名は、今年度で活動終了となります。

 総務省の支援事業として平成21年度から始まっています。総務省では、地域おこし協力隊を「都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が『地域おこし協力隊員』として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの『地域協力活動』を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組み」と定義しています。

 支援が受けられる市町村の条件が決められており、東三河の中では、奥三河市町村だけがその条件を満たしています。平成21年度に31自治体89人で始まった制度も、平成27年度には673自治体2625人に広がっています。隊員には、最大期間3年の任期があり、その間200万円/年の給与が保証されます。

 人口減少・高齢化に悩む自治体にとって、人件費丸抱えの制度は利用しない手はありません。しかし、多くの失敗事例が生まれています。失敗とは、3年間で自立、定住に結びつかないことを指しています。

 一般社団法人村楽で、「地域おこし協力隊 失敗の本質(竹やりによる突撃を繰り返さないために)」(https://www.facebook.com/sonraku/photos/a.585849434838881.1073741828.110391135718049/585849448172213/?type=3&theater)という資料を発信しています。

 この資料を読むと、新城市が地域おこし協力隊を有効に活用できない理由がみえてきます。今回活動終了する4人の隊員は、3年間(1人は2年間)で経済的自立の道を確立できませんでしたが、市内に2人は残ることになります。それぞれの隊員は、様々な経験を積み重ねていますので、得たものはあると思いますが、経済的自立を実現させることができなかったことは受け入れ側(新城市)の大きな反省点です。

 実際、わずか3年での経済的自立を実現することは簡単なことではありません。だから尚更、地域おこし協力隊を募集するためには、受け入れ自治体の体制が整ってなければ、隊員にも自治体にもどちらにとっても不幸な結果となります。

 終了する4人の活動分野は、農業振興が2人、スポーツ観光振興が1人、再生エネルギー普及促進が1人でした。どの活動も、新城市の重要な分野ですので、隊員を有効に活用できれば新城市にメリットが生まれていたと思います。しかし、僕自身も、隊員が活動する政策不在を指摘してきたように、補助金に目は向いても、自らの知恵と努力は表れてきていない分野であり、隊員の活動結果が新城市の実態を明示したとも言えます。

 穂積市長は、最後に終了する4人の隊員に質問しました。概要は、「あなたたちには、税金が支給されている。厳しく評価することが必要。あなたたち自身の自己評価を聞きたい。支給以上の働き=A、支給相当の働き=B、支給以下の活動=Cで示してほしい」ということでした。4人は全て「B」と答えました。僕には無責任な質問だと感じました。受け入れた責任を明らかにせず、隊員の責任だけを問うているからです。3年後の経済的自立を実現できなかった、新城市の責任を考えれば、この質問はふさわしいものではないでしょう。

 今後とも隊員の活用は続くと思いますので、今回を教訓としてほしいのですが、その教訓をくみ取れるかが心配です。来年度以降、1人の隊員(1年目が終了)は活動を継続しますので、この隊員の2年後の経済的自立を実現させるための本人と市の協働に期待したいものです。



posted by 地産池消 at 23:58| 愛知 ☔| Comment(2) | 新城の施策 | 更新情報をチェックする

2017年03月23日

若者議会2期終了に思う

 3/21(火)、午後7時から、新城市議会議場において、第2期若者議会が終了しました。平成28年5月30日の第1回に始まり、最終が第19回でした。メンバーは、市内委員20名、市外委員4名、メンター(助言者)15名でスタートしました。市職員の対応を含めて、多くの労力と費用をかけました。

 最後の議会では、昨年同様、一年間の振り返りを、各委員が一人ずつ発言しました。どの委員も、自分の成長を強調し、多くの方への感謝と素晴らしい思い出を振り返っていました。多くの苦労を経験したと思いますが、自分の頭で考え、自分の意志で動いたことが、他では得られない経験だったことは想像できます。

 若者たちは、まだ狭い社会しか知りません。理想の姿を思い描けます。砂が水を吸うように様々な情報を吸収していきます。この時期に、若者への主権者教育は大きな意義をもっていると思います。しかし、進め方には違和感があります。

 今期は19回もの会議を行いました。4つのグループに分かれて、グループ毎にテーマを決めて、最終答申に向けて議論を重ねました。年齢・経験・考え方・性別など幅を持った集団の中で、議論することで、多くの気づきもあったと思います。しかし、行政のメリットは何だったのか?と思います。

 昨年11月に、若者議会2期生が予算事業に関する答申をしています。答申項目は7点。①図書館リノベーション事業(予算:約495万円)、②ハッピーコミュニケティ応援事業(予算:132万円)、③新城若者議会PR事業(予算:約129万円)、④新城魅力創出事業(予算:約137万円)、⑤いきいき健康づくり事業(予算:約4万円)、⑥お喋りチケット事業(予算:約43万円)、⑦若者防災意識向上事業(予算:約16万円)です。

 これらの事業が来年度の若者議会に引き継がれます。総計約955万円となります。職員の労力とこれだけの税金(若者政策全体に地方創生推進交付金が事業費の半分程度が支援)を投入するのであれば、効果を考えるべきです。率直に言えば、若者の考えられる範囲(支援する職員の能力の範囲)で声を聞いたというレベルであると言えます。無理に、予算化までを求めるから、考え方が小さくまとまる(お金で解決できる。必要なのは知恵です)のでしょう。

 新城市には、大きな課題がいくつもあります。人口減少対策、衰退する農林業対策、シャッター街化する中心市街地対策(周辺部のお店の消滅も深刻)、市内産業を活性化させる方向が示せない観光政策、医師確保に悩む市民病院対策等などです。若者視点で、大人の既成概念にとらわれない解決策を提案してもらうことこそ必要だと思います。「だめだ」と決めつけず、必要な情報提供の上、一年間議論を続けてもらうことで、市長・議会・職員に大きな気づきを与えてくれるかもしれません。

 合併して12年が経過していますが、多くの市民の将来不安は消えていません。この不安解消に若者自身が向き合うことで、市政を担う自覚と責任を感じると思います。また、政策過程にも参加できる経験は今以上の主権者教育になると思います。若者議会は、もっと自由にもっと大胆に、市政の核心部分に入り込んでほしいと思います。予算など付けなくても、素晴らしい結論を求めなくても、若者は多くの経験を積み重ねることはできます。

 同様なことは、中学生議会、女性議会、地域協議会にも言えます。職員が事前準備に奔走し、まるでドラマの様に準備された会議では、中学生、女性、地域住民の率直な思いも活かされないのではないでしょうか。「自治」と言いながら、「形」にこだわる市政が不思議です。市民の福祉向上のために「自治」を進めたいのか?新城市の自治が進んでいることを発信するための「形」が欲しいのか?どうもパフォーマンスの様に感じてしまいます。


<追伸>コメント欄にも載せています。
 12月議会で、議員の期末手当アップに反対しました。コメントで、反対した議案への対応が求められていました。その件の対応の結論を持ちましたので報告します。

 3月分の報酬とともに、アップ分が3/17に振り込まれました。昨日(3/22)に、アップ分の37,419円に追加して計4万円を熊本県に義援金として送りました。

 議員としての寄付行為に当たらない方法として、選挙区外であり、まだ復興途中で苦しんでおられる方たちへの支援を選びました。
 
 郵便振り込みで対応しました。

 
posted by 地産池消 at 22:28| 愛知 ☁| Comment(2) | 新城の施策 | 更新情報をチェックする

2016年12月24日

お上任せの意識。現政権、危うい「空気感」。

 12/22の中日新聞の記事の見出しが、上の見出しです。日本全体が、「事実や論理よりも印象や勢いが場を支配する、戦時中のような『空気感』が強まっていないか」という警鐘の記事でした。

 記事では、「法律の制定を根拠づける立法事実も、納得できる道理も乏しいとの指摘もある法案の採決が次々と強行された」と書き、代表例をTPP(トランプ大統領就任で離脱が明言され、発効の見通しがないのに採決)、カジノ法案(依存症の害を認めつつ合法化に向かう。カジノ推進派のパチンコ企業が、法案提出議員のパーティー券を大量購入)、年金制度改革関連法案(支給額の見通し不明)を上げています。

 「この現象の原因は?」を「政府の言葉の言い換え(最近のオスプレイの事故は、『墜落』ではなく『不時着』と言い換え。国民に不信を与えないような言葉の言い換え)」、「明治以来のお上に任せるしかないという根強い意識」(高橋哲哉東京大学教授)と「日本には抵抗の文化がない」(ノーベル文学賞作家のアレクシエービッチ氏)という点を挙げています。

 記事は、高橋教授の「空気は変えられないとあきらめてはならない。朴槿恵大統領を弾劾に追い込んだ韓国市民のように、いずれ必ず変えられる。一人一人が声を上げ続けなくては」で締められていました。

 記事を読みながら、新城市と重ね合わせてしまいました。穂積市政は、既に3期12年を1年残すのみになりましたが、新城市に希望を灯すことができていません。新東名開通などの外頼みの経済に期待するだけで、自前の経済政策が見当たりません。「観光は?」「農業は?」「林業は?」など、新城市をどこに引っ張っていこうとしているか未だにわかりません。危うい「空気感」が新城市政を覆っていると感じています。

 穂積市長が、一生懸命叫んできた「若者議会」「女性議会」「地域自治区」にお任せ(必要なしの政策とは思いませんが、若者、女性、地域の活かし方がみえません)では、新城市に希望が灯されるのはいつのことになるでしょうか。議会の体たらくは、今更書く必要もありません。この状態であるにも関わらず、新城市民の怒りはどこにあるのでしょうか。高橋教授の言葉のように「一人一人が声を上げ続けなくては」でないと何も変わりません。

 穂積市長の成果は何なのか、自分の頭で考えて欲しいと思います。地方創生で出てきた政策が「新東名バス」?NHK大河ドラマで「井伊直虎」が取り上げられたから、新城市は「井伊直虎ゆかりの地」、これまで行政として何もやってこないのに、急ごしらえでは?どれもこれもと言いませんが、目新しい「自治」には飛びついても、この新城市をどうするかの政策が出てきません。穂積市長の政策は、新城市でなくても通用するものです。この新城市をどうするかの努力がどこのあるのかわかりません。

 議員の実態も明らかになっています。議員としてふさわしくない議員は、市民自らの意思で次には選ばないことです。議員は、区長ではありません。「市民のために働く」意思を持っている議員を、一回一回の選挙で選別するしかありません。「地区のためにだけに頑張ります」という議員候補者には、「あなたに議員は無理」という判断をしなければなりません。

 「お上まかせ」で上手くいくはずはありません。市民の厳しい目があれば、市長も議会もしゃんとするはずです。たかだか5万人弱の人口です。市長にも議員にもいつでも会える小さなまちです。黙ってしまえば、それで変わらないでしょう。おかしいと思っている人が、若しくはおかしいと思ってきた人が、あきらめず声を上げて欲しいと切に思っています。何もしなければ、少子高齢化の荒波に飲み込まれます。
 
posted by 地産池消 at 09:12| 愛知 ☀| Comment(2) | 新城の施策 | 更新情報をチェックする

2016年12月07日

中心市街地活性化は闇の中

 12/7(水)、12月議会で僕の一般質問が終わりました。今回のテーマは、中心市街地活性化でした。まちづくりの重要な拠点と言いながら、市民の誰が見ても、中心市街地は寂れてきています。経過と現状の議論から、次の施策に結び付けたいと一般質問に臨みました。

 この中心市街地にも、新城市の顔としての再生に意気込んでいた時期がありました。50年ほど前に車社会の到来を夢見て決定された都市計画道路「栄町線(大善寺前から新城駅につながる道路)」がある地域です。合併前から、中心市街地活性化事業が始まっていました。

 国の支援があると補助金を当てにして強引に事業が進み始めました。国の支援の継続のため(栄町線事業の呼び水)に、賑わいを創出するための施設が必要ということで、まちなみ情報センターが建設されました。建設当時から、事業目的であったパソコン教室には、議会内でも疑問の声が上がっていました。

 当時、議員視察で、空き教室などを使ってのパソコン教室を開催していた自治体に調査にでかけていました。その視察で、今さらパソコン教室のための施設は時代遅れとなるとの感触をつかんでいました。しかし、土地代1億円、建物代1億円の計2億円(半分は国費)をかけて建設してしまいました。

 開所から数年間は、パソコン教室のためのパソコン本体の維持管理のため、1500万円を超える税金を投入していましたが、最初の心配の通り、パソコン教室の需要が減り、今は多くのパソコンが消え、維持管理費も約600万円(平成28年度予算、人件費含まず)まで下がってはいます。

 また、12年ぐらい前には、まちづくり推進室として利用するとの理由で、新城駅北側の明星跡地を購入しています。まちづくり推進室としての利用予定組織が、新城駅周辺まちづくり協議会や㈱山湊でしたが、現在、どちらの組織も存在していません。目的の一つであった新城駅北側開発のための利用も頓挫しています。

 未だに「何でこんな広い道路を作ったの?」と言われる大善寺前の栄町線には、約10億円(半分は国費)の税金を投入しました。それから10年近く経ちますが、ただ広い道路が残っただけで、中心市街地活性化につながっていません。しかし、この栄町線を新城駅前にまでつなげるという計画を廃止しようとはしていません。地権者の了解が得られないという理由で、当面は新城駅前整備だけを進めることになっていますが、将来構想は何ら示していません。

 以上からみられるように、中心市街地活性化事業は国の支援に飛びついた無計画なものと判断できます。新城市が作成した中心市街地活性化基本計画の期間は、平成21年から平成31年となっています。計画策定から既に7年余が経過しています。一般質問への答弁にみられるように、「中心市街地活性化は実現していない。今後検討する」という計画の破綻が明確になっています。

 なぜ、「なぜ計画が破たんしたのか?」「どこに解決策があるのか?」と質問しても、明確な答弁は出てきません。中心市街地活性化の重要性は認めるものの、何年も活性化のための手は打ってきませんでした。中心市街地活性化基本計画には、国の支援を受けて行った第三者の専門家の意見も載せています。専門家が、中心市街地の強みである「全国に誇れる歴史資源がある」との指摘の活かさずここまできてしまいました。

 家康が、長篠設楽原の戦いで功績のあった奥平貞昌に新城城を作らせた城下町の地が中心市街地なのです。この歴史資源の活かし方を専門家も指摘していたのです。しかし、穂積市長はその指摘を具体化する努力をほとんどしていません。何回も議場でも議論しましたが、政策に挙がることはありませんでした。

 今回の一般質問で、中心市街地基本計画の破綻が明らかになっても、何も悪びれることもなく、「計画は見直す」と言っただけに終わりました。どう見直すのかと問いただしても、具体的な方向は示すことができませんでした。

 中心市街地の活性化は、奥三河の玄関口としても重要だと考えています。中心市街地から商店街が消えてしまえば、ますます人口減少に拍車がかかるでしょう。僕は、新城市再生の切り札の最有力候補が、観光だと言い続けてきました。観光のまちづくり=地域づくりだと考えていますので、観光の視点で、全市をつなげることができれば、必然的にまちづくりの方向が見えてきます。

 全市をつなげる重要な拠点の一つが、中心市街地だと考えていますが、穂積市長の認識がどこにあるのか答弁を聞いていてもわかりません。さらに、誰が何をどの様にマネジメントするのかを明確にできない穂積市長の政治手腕も心配です。

 今、地方創生で日本版DMOが強調されています。このDMOの進め方に大きなヒントがあると考えています。DMOの成功の要が、マネジメントとマーケッティングと言われているからです。DMOが語られるようになってきた経過を理解できれば、新城市にも再生の可能性が出てくると思うのですが。
 
posted by 地産池消 at 23:29| 愛知 ☁| Comment(0) | 新城の施策 | 更新情報をチェックする