2017年09月06日

おかしいと思いませんか?

任期4年の最後の一般質問が終わりました。おかしい議論がありました。タナカ興業の下水道汚泥肥料の新城工場に関する質問です。

 この4年間、一部の議員(中西・浅尾議員)は「悪臭で市民が困っている」「近隣の優良企業からも苦情が出ている」と言い続けました。市民の声を聴くことは当然ですが、議員としての一般質問であれば、事実の洗い出しの上で質問を組み立てるべきです。

 (有)タナカ興業は、私企業です。現時点では、法律に違反している事実はありません。市民団体である「新城の環境を考える市民の会(山本拓哉会長)」を中心に悪臭対応が求められてきました。市民が悪臭と感じることは、個人の感情であり否定するものではありませんが、議員としては感情ではなく事実(法令違反)が必要不可欠です。

 お二人、今回の議会では山口議員も含めて3人ですが、市民感情のみで質問を組み立てました。臭いが出ていることは事実です。しかし、この事実が、法律違反があるのか、市民の健康被害を証明できる具体的な事実があるのか、という点から市長と議論をしなければ、無益な議論になります。

 新城の環境を考える市民の会(以下、市民の会)が、県民の生活環境の保全等に関する条例第96条の規定に基づき、今年2月20日及び3月22日の請求をまとめ市長に請求し、市長名で調査結果(6月27日付)が市民の会に伝えられています。

 32世帯から請求されていました。調査は、2月24日から6月9日までに完了しています。結果報告まとめには、「調査請求後及び調査請求前に現地調査により確認した臭気強度や、環境調査会社に業務委託して実施した臭気指数等の測定結果については、風の向きや強さなどの気象条件による多少の強弱はあるものの、事業所の敷地境界付近及び調査請求者住居地周辺での臭気については、悪臭防止法の規制基準をかなり下回る数値でした。また事業者による法令に違反する行為も確認されませんでした」とされています。

 議員は、当然この事実を知っています。この状態で「悪臭を出している(有)タナカ興業」と批判を続けて良いものなのでしょうか?法令順守の私企業を公の場で批判を続けているのです。議員が、事実(法令違反)の裏付けもなく私企業に対して憶測で質問を続けることは、私企業に対しての名誉棄損になる可能性もあります。

 現時点で、質問するのであれば、市長の対応の不手際を明らかにする視点しかないでしょう。(有)タナカ興業を名指しで批判するのであれば、市民の会などの市民団体、市民等との十分な調査を行うなどを続け、明らかになった事実(法令違反)で、市長との議論を行うべきです。

 一般質問は、議員だけに与えられた最大の議論の場です。生中継され市民にも公開されるという点からみても、その発言は議員だけでなく議会の責任も問われるものです。それだけ重要なものです。その認識があるため、これまでも一般質問での発言が問題になりました。「コンドーム発言」で長田議員は政治倫理審査会で審査されました。

 また、浅尾議員においても、打桐議員の妻の会社の水道関連事業入札に関する発言(昨年12月議会)で「事実根拠がなく、当該議員及び当該私企業の立場を著しく侮辱し、名誉を著しく損なう内容」との判断がされ懲罰委員会で「戒告」処分がされています。それだけ、議員の発言は重く、議会としての責任も問われています。

 しかし、(有)タナカ興業に関しては、野放し状態です。今回も議長、議会運営委員会に問題を指摘し、それを受けて議会運営委員会の場で議論がされました。結果は、問題発言であるものの、議会としては議員個人の責任に任せるとの判断になりました。

 (有)タナカ興業問題と浅尾議員の戒告処分との違いがわかりません。戒告文書では「本会議中に特定の議員に対して失職を意味する法律違反と断定した発言については、重大な内容であると考えられます。また、特定私企業の経営状況に関する公の場での発言については、その企業に誇りをもって従事されている従業員及びその家族など、企業に関わる関係各方面への否定的かつ重大な影響が懸念されると考えられます」とされていますが、事実(法令違反)に基づかない議員の発言を戒めています。併せて、私企業に対する影響を懸念していたのです。

 打桐議員及び妻の会社に対する市民の疑念があったのも事実ですが、その疑念は疑念であり、それをもって法律違反とは断定できませんし、当然慎重な発言が求められるのです。議員は、公人です。市民と比べられないほどの責任が求められます。

 「悪臭」と市民が言うのは、その人の感覚ですので自由判断です。しかし、議員が一般質問の場で簡単に「悪臭」と言えば、その影響は大きなものとなります。一般質問を見ている市民に、(有)タナカ興業が不良企業との印象を与えてしまいます。「悪臭」と問題にしている新城市民も、(有)タナカ興業で働いている人も同じ国民であり、同じ法律により守られています。

 豊かな社会は、誰かの犠牲の上に成り立っているのです。豊かさを享受するのであれば、そこに生きる人たちが共通のルールの中で暮らすしかありません。そのルールをより暮らしやすいものにするために、先人たちが多くの苦労を重ねてきました。その原点は、事実による話し合いだと考えています。

 中西・浅尾議員は、市民の会などの市民の声を聴いていますが、(有)タナカ興業側の話は一切聴くこともなく一般質問を繰り返してきました。議員としての最低限のルールを理解していないのではないかとさえ考えています。本来は、問題が生じた時、市民、行政、相手側企業の間に立ち、問題解決のために動き回るのが議会、議員ではないでしょうか。

 (有)タナカ興業問題は、当事者である(有)タナカ興業を蚊帳の外に置き、市民の会を中心に「悪臭反対」の運動が続き、議会は音なしの構え、中西・浅尾議員はいつも事実に基づかない感情論で質問を繰り返しました。「解決は(有)タナカ興業との事実に基づく話し合い。話し合いにより法令を超えた一致点を築くこと」と主張する私は、「産廃容認議員」と名指しで市民の会などから批判されてきました。

 議会が、本気で市民の会などを中心とする市民と向き合うことが解決の一つだと考えてきましたが、議会は「火中の栗は拾いたくない」と傍観を決めつけてきました。中西・浅尾議員の対応さえ傍観してきました。最後の議会でも、議会としては傍観を続けることにしてしまいました。(有)タナカ興業問題の解決は次期議会に先送りされます。議会の存在意義は揺らいだまま任期終了となります。


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市民説明会の資料です。

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posted by 地産池消 at 20:50| 愛知 ☁| Comment(3) | 産廃問題 | 更新情報をチェックする

2017年04月05日

山本たくや後援会の奇妙な認識

 選挙が近づいています。山本たくや後援会も、組織づくりに動いているようです。最近の後援会の役員への連絡文書が、「白井君のことが載っているよ」と関係者から届けられました。
 
 その文書には、山本たくや氏の政策骨子という項目が載っていたり、次期市議選には自分の仲間が立候補を準備しているとか、5・14集会出席のお願いなどが書かれています。後援会の活動に関与する必要はないのですが、わざわざ僕について触れて頂きましたので、コメントしたいと思います。

 産廃問題に関わる部分です。「産廃問題には、山本の専門技術を見せつける場としてこの4年間邁進してきた。現状は、タナカ興業が操業し、悪臭被害者が500人近くでた現状において、現市長は工場の視察にも行っていない等消極的な対応であり、そのことに地元を中心に、次期選挙で山本が市長にならない限り、悪臭地獄からは逃れられないとの思いが高まっている。

 また、市長選立候補が噂されている白井市議は、悪臭産廃施設を容認する者であると見られており、産廃問題で揺れる八名地区住民などからは完全に拒絶されている。散々裏切られたママの会では、白井か穂積かと問われれば穂積の方がましとまで非難されている」という記述です。

 この認識が、山本君が市長候補にふさわしくないと考える理由の一つです。相手を批判する時は、どの様な反論にも責任をもって答えることができなければ批判する価値はないと考えてきました。山本君は、穂積市長を批判し続けてきました。もし、山本君が市長になったら、どの様に解決できるのでしょうか。その答えを聞いたことはありません。

 ブログには、「こんな状況ですから、私たちは、タナカ興業が居なくなること以外に、悪臭がなくなることはない、と思っています」(2017.3.13ブログ)と書いていますので、解決がタナカ興業撤退ということだと判断することもできます。

 その判断通りだとすると、どの様に撤退させるかの道筋がみえません。もし、市長になったら、現在の反対運動を先頭になって進め、行政をあげて撤退させるつもりなのでしょうか?法違反を犯していない企業にそんなことはやれば、行政がタナカ興業に訴えられかねません。非現実的です。

 市長になって国・県への働きかけを強め、法自体を変えることも絶対無理ではないと思いますが、その根拠が希薄です。500人近い被害者が出ているのであれば、そのことをもって行政を動かすこともできると思いますが、科学的に被害実態を明らかにしようとする動きはみえません。

 「ものすごい悪臭」と言いながら、多くの方からの支援で測定器を買いながら、未だに自らの測定値を明らかにしたことはありません。いつも、行政の測定結果を非難するだけでした。今度の市長選の争点にしたいのであれば、早急に法的に耐えうる被害実態を明らかにすべきです。

 もし、下水道汚泥で健康被害が多発するとすれば、豊橋市では大問題になっているはずです。豊橋市は、下水道汚泥を乾燥させ、有機肥料として全量を農家等が田畑に活用してきているのです。新城市で被害が多発していると認識しているのであれば、市長をめざす山本君の責任で、早急に健康被害を明らかにすべきです。そのことができずに、市長選の争点にするのであれば、選挙目当ての争点づくりとも思えてきます。

 市長になって、タナカ興業から土地・建物を買い上げるという方法も考えられなくもありません。しかし、総額10億円を超えるような買物になる可能性があります。買い上げる理由が市民に説明できるでしょうか?実際、市内でも産廃問題の考え方に温度差はかなりあります。市民の納得を得ることは容易でないことは想像できます。争点にしたいのであれば、より具体的な対応方法を明らかにしてほしいものです。

 僕に関する記述部分です。誰かが言っているという記述となっていますが、文書にすることで山本君の責任も問われると考えます。「悪臭産廃施設を容認する者」「散々裏切られたママの会」の記述は、正確に判断してもらいたいものです。

 「容認する者」と決めつけ、「容認する者=敵対者」というようなくくり方のように感じます。僕は、最初から首尾一貫、法的に判断するべき、話し合いで問題点を明らかにするべきと主張してきただけで、産廃施設を呼び込んだわけではありません。僕が議員になった時は、タナカ興業は土地を取得していました。

 「散々裏切られた」としていますが、僕の主張は明確で、ママの会のみなさんとの一致点は得られないものの、約束を破ったなどの反社会的な言動はしていません。「なぜ、私たちの思いがわからないの」と言われても、自分の考えを安易に変えるわけにはいきません。

 議員には、公平・平等な対応が求められます。市長ならなおさら、首尾一貫した言動が求められます。山本君が、もし市長になった時も同様な反対運動ができる道理があるとは思えません。意見の違いがあると言って話し合いを拒否するのではなく、お互いの違いを認め合いながらも、解決に向けての冷静な話し合いがなければ、いつまでも解決はできないと思います。

 僕には穂積市長の権力にくらべれば微々たる力しかありません。市長こそ、解決を遅らせている張本人だと思います(市民の会、ママの会もそう思っているはずです)が、その市長と僕を比べることで、この間の運動方向のミスリードがみえてきます。

 解決のために何をすべきか示さず、敵対者を作ることで争点をぼかそうとする山本君の対応が心配です。自ら専門技術を見せつける場とした産廃運動は、弁護士、国会議員等への依存に変わってきているようにもみえます。

 「下水道汚泥は危ない。子どもを守れ」と煽ったことで、事実(下水道汚泥の肥料化の現実)が隠されてしまいました。ヒ素問題をきっかけに燃え始めた反対問題も、実は自分勝手な検出方法(専門技術があれば、法を無視した測定方法はやらなかったはずですが)からでした。山本君が市長だったら、絶対できない方法で産廃問題を表に出してしまいました。

 問題行動を経済建設委員会で指摘されても、「産廃施設の操業を止めるためには何でもやる」と何ら悪びれることはありませんでした。市長職の人間が同様なことを行ったら、田原市、田原市の農家からの抗議にも直面したことも考えられましたが、現時点においても自分たちの行動を正当化し続けています。

 また、反対運動の根底には、「そんな工場を許可し、放置している行政に責任があります」(同日ブログ)との認識もあります。この認識が外せないのであれば、戦う相手は穂積市長を抜きにしてはありえません。タナカ興業を目の敵にしても解決は難しいでしょう。当然、僕をいくら批判しても解決できるはずがありません。

 この3年間、民主主義の困難さに直面しました。新庁舎問題では、市長・議会に見直しを求める声に耳を傾けろ、と運動を行い、全市民への宣伝を繰り返し、住民投票を実現させることができました。苦労はしましたが、運動を進めた多くの市民と共に、新城市民の民主主義の進展に喜びました。

 しかし、産廃問題では、逆に民主主義の未成熟に悩まされました。庁舎問題では、新城市の財政状況を含めて、事実に基づく見直し運動ができたのに、産廃問題では、事実より感情が優先されてしまいました。事実に基づく話し合いの前に、「操業絶対反対」の結論が表面化し、行政区全体が今も揺れています。僕にも投げかけられている「産廃容認」という言葉が、住民を縛っていると感じています。山本君のミスリードが住民間の亀裂を生んでしまいました。

 民主主義は情報共有と話し合いです。産廃の情報共有は不十分です。多くの市民は、産廃問題を知りません。断片的な情報しか届いていません。「タナカ興業が情報を出さない」という声は今も聞かれます。しかし、逆の立場から考えれば「話し合いはしない。絶対操業阻止」と言われれば、何のための情報提供かと考えてしまうのではないでしょうか。「操業阻止」を叫ぶ山本君は、自ら民主主義の芽を摘んでいるとさえ感じます。
 
 産廃問題解決には民主主義が必要です。ママの会主催の勉強会での弁護士の話でも「対話のプロセスが重要」と強調されました。感情を乗り越えた解決策が必要と考え、山本君にも公開の場での討論会を申し込んだこともありましたが、山本君からの拒否で実現しませんでした。僕のブログでも何十回ものコメントのやり取りも行ってきましたが、平行線で終結してしまいました。直接会っての対話(タナカ興業とも意見の相違がある人とも)が、極端に不足しています。

 産廃問題を争点にしての選挙は、市長として、市議としてどのように解決するかを明確に主張してほしいと期待します。「僕が市長(市議)になったら解決します」では、あまりにも無責任です。市民と行政、市民同士の対立では、いつまでも民主主義は育ちません。

 法に基づく現実をみれば、これまで主張してきたように、タナカ興業との話し合いで一致点を探る以外に落としどころはないと考えています。いくら山本君が市長になっても、法に基づいての対応しかできないでしょう。もし、素晴らしい解決策があれば、ここまで地元は混乱していないと思います。

 タナカ興業が操業する前後の変化があるのは事実です。しかし、現代社会において、様々な変化は誰かがどこかで納得しなければならないのも現実です。新城市が期待する新東名も、以前の静かな環境が壊されたという市民が存在しています。しかし、混乱を起こしてきた歴史から、様々に法規制が行われ、その規制で対応されていきます。

 当然ですが、産廃においても規制が強化されてきました。ママさん主催の勉強会でも、「廃掃法でかなり厳しく規制がおこなわれている。かつては暴力団等がはびこっていた」と弁護士が話されていました。それでも、心配する方からの心配に応えて「タナカ興業の規模、工場の状況から考えて、反対運動に対しても違法な手段で攻撃されることはないと考えられる」と話されていました。

 我慢を強いられる人には、酷な面もありますが、多かれ少なかれ便利な生活を享受できる現代社会においては、一人一人が被害者であり加害者でもあると思います。問題が生じた時、お互いが立場を認めながら、一致点を広げるしかないと考えています。
posted by 地産池消 at 08:59| 愛知 | Comment(2) | 産廃問題 | 更新情報をチェックする

2016年03月21日

新城の環境を考える市民の会の会長と話してみます

 新城の環境を考える市民の会(以下、市民の会)の会長の山本拓哉君のブログで、タナカ興業の南部企業団地進出に関しての僕の見解に対して、情報公開での環境課の議事録に対しての見解に対して、山本会長の見解が示されましたので、一度、直接の話し合いをすることを申し入れしています。申し入れしてから、10日程経ちますが、返事はまだもらえていません。

 僕の希望は、1対1で、公開の場で、どちらかが話し合い終了を言うまで時間無制限で行いたいということです。時間も場所も山本会長に委ねています。山本会長の最近のブログでは、当初のタナカ興業の産廃反対から、「ごみ問題の本質」という視点に移っています。僕は、産廃問題は全市民も関わる大きな問題だと考え、タナカ興業の中間処理施設問題は話し合いが重要と主張してきました。山本会長が書いているブログを読むと、これまでは違った議論ができるかもしれません。

 山本会長に話し合いの申し入れをしてから、市民の会の現状も知りたいと考え、3月13日の第36回新城産廃反対者連絡会にも参加しました。30人余の市民の方が現状の確認、今後の取組、勉強会(情報公開の資料の解説を基本)などを行いました。途中、「白井議員の見解は?」と求められたので、「山本会長に話し合いの申し入れを行っているので、その場所で述べたいと思う」と応対させてもらいました。

 南部企業団地での中間処理施設建設問題を、行政、市民の対立で終わらせたくないと考えています。山本会長の返事を待っています。

 山本会長のブログに書かれている「日の出町最終処分場事件」の件で、地方記者の目で見た日の出処分場紛争という情報がありました。興味があればお読みください。

http://www004.upp.so-net.ne.jp/imaginenosekai/gomi-kisyanomita.html
posted by 地産池消 at 08:21| 愛知 ☀| Comment(0) | 産廃問題 | 更新情報をチェックする

2016年02月16日

産廃問題について書きます

新田様、南部の住民様

 コメントへの返答でなく、見解をお伝えします。

 僕は、住民投票・市長リコールと産廃進出阻止運動とは違うものと考え取り組んできました。

 住民投票・市長リコールは法的な問題を問うたものではありません。新城市の政策に対しての議論を続けてきたものです。その議論の中で、市民の疑問に対して十分な説明をしないまま、市長案を押し通そうとしてきたことに対しての市民運動です。本来であれば、二元代表制の一方側である議会が、多様な民意を汲み取り、市長案に対して修正を求めるべきでした。しかし、現議会は民意を汲み取ることができず、市長案を守る側に立ってしまいました。住民投票の結果が、そのことを明確に示しました。

 この状況だったから市民ができることは、住民投票しかありませんでした。今までは、市民はあきらめてしまったことが多かったと思います。しかし、住民投票では、あきらめず声を挙げ、見直しを実現させました。素晴らしい市民自治でした。「見直しをしたから、住民投票を尊重した」と市長は主張しました。住民投票は結果の尊重しか求めていないので法的にも問題は生じません。しかし、住民投票で求めたものは、将来不安に対する納得できる説明でした。肝心な部分である規模、費用などについて、見直しを求めた市民を納得させられないまま、見直しの結論だけを押しつけようとしたのです。穂積市長が、このように市民自治をないがしろにしたから、市長リコールに発展したのです。しかし、問題はそれだけではなかったのです。

 住民投票を求める運動を続ける中で、新城市の現状(人口推移、財政状態、政策など)を多くの市民が知ることとなりました。穂積市政に対しての危機感を持つ市民が増えてきました。「庁舎問題も重要だが、それ以上に新城市の将来を考えることの方が重要だ」という認識も高まってきました。市長リコールへの決断は、総合的に考えた時、任期2年を待って考えるより、今穂積市政の問題を市民に問い、少しでも早く新城市の方向を変えるべきと判断したからです。

 それでは、産廃運動について述べます。産廃運動は、タナカ興業が新城市役所を訪れてから3年ぐらいが経ちました。僕が、産廃運動を知ったのは、2年前の市長選・市議選が終ってからでした。既に1年ぐらいが経っていました。この時、既に南部地域では、区長を中心に産廃対策に動いていたのです。しかし、南部地域の住民には切実な問題とはなっておらず、一部の住民が心配をしていた状況でした。この状況が変わったのが、市議選が終ってからです。

 新しく議員になった僕も、現状を知ることから始めました。地元では、「とんでもない産廃業者が来る」という情報が独り歩きし、南部地域では住民挙げての大騒ぎとなりました。そして、2014年1月28日には、黒田地区に於いて、タナカ興業から直接説明を受けましたが、次の一鍬田地区では、「説明は受けない」との結論となり、現地に来ていたタナカ興業は、説明をしないまま帰ることになりました。これ以降、住民とタナカ興業の話し合いは行われることはありませんでした。僕は、当初から住民とタナカ興業の話し合いは必要と考え、住民を含めて反対する市民に、「まず、直接の話し合いで、問題点を明らかにしていくべき」と強調してきました。

 問題が表面化してから、産廃施設進出阻止を掲げる団体は、阻止のための運動を繰り広げています。阻止のための運動の根拠は、①タナカ興業が以前に湖西市での不法投棄(2004年.6月)で静岡県の指導を受けた、②田原市で不法投棄を行っている、③タナカ興業の堆肥からヒ素が検出された、④豊橋市の細谷工場の悪臭、⑤買戻し特約の解除の疑問に集約されると考えてきました。経済建設委員会としても、各地に出かけ問題点を探ってきました。その結果から、阻止の運動の根拠を、法的な問題の有無を含めて検証してきました。

 ①点目です。既に10年前の事例であり、現在も同様なことを続けていれば、食品リサイクル法で定められた再生利用業者の登録が継続できないはずであり、現在も登録業者である点を考えれば、この点を阻止の根拠にすることに無理があると判断しています。

 ②点目です。不法投棄場所と指摘されている農地には、何回も足を運び、肥料が投入され整地作業が行われている状況から、キャベツが収穫されている状態まで確認しています。農地を管理している農業法人にも何回かにわたり話を聞いてきました。不法投棄であれば、キャベツが生育できるはずもなく、農業法人の話からも畑としての活用が前提となっていると判断しました。また、タナカ興業の肥料を使っていたという田原市の農業青年からも話を聞きましたが、「農地面積を増やすためには耕作放棄地を借りることになるが、場所によっては、簡単に畑に再生できない耕作放棄地もある。その時に必要のものが、有機肥料であるが、畜産堆肥よりタナカ興業の肥料が効果を上げた。肥料成分データの確認した上で、自分で判断して使っていた。今後も使う意思はある」という話でした。農家が判断し利用し、結果を出していることを見れば、不法投棄との判断できません。

 ③点目です。操業阻止団体の検出でヒ素が検出されたと中日新聞でも大騒ぎしましたが、読者に誤解を生じさせました。実際は、愛知県、田原市、ヒ素が出た農地の農業法人が検出した結果、土壌汚染対策法に基づいて基準値以下が確認されました。確認データは、新城市も公表しています。なぜ、基準値以上のヒ素が出たかは明らかになっています。操業阻止団体のデータは、土壌汚染対策法に基づいて検査農地の土の採取を行わず、肥料そのものを測定していたのです。この問題は、阻止団体の代表者を議会に来てもらい、直接確認しましたが、その非を認めることはありませんでした。ヒ素が出て、風評被害で困ったのは田原市の農家です。田原市の農家のことも考えないで、不正確な情報を流した、阻止団体と中日新聞の責任は大きなものです。ヒ素は自然界に存在しているものですが、健康への影響を考え、基準値が設定されているのです。その基準値を無視して騒ぐことは、無用な心配を広げることになります。

 ④点目です。経済建設委員会でも細谷工場の視察に行っています。現状は、老朽化で工場内の密閉状況が悪く、脱臭装置が十分機能していないため、外部への臭いが発散しやすいことを確認しました。この点は、タナカ興業側も認めており、その解決策を新城工場に活かす意向を示しています。その解決策は、①脱臭方法を土壌脱臭ではなくロックウール脱臭に替える、②工場全体の臭いを吸い込む方式から、発酵槽毎に吸い込む方式に変更、③工場全体の気密性を高める、④下水道汚泥搬入口を、自動二重扉方式にする、⑤臭いが発生するのは肥料の撹拌時が多いため、撹拌ではなく床からの強制通気で行う、などと説明を確認しています。この方式は、経済建設委員、担当課、南部地区の住民と共に、新潟県新発田市の肥料施設を視察し、効果を確認してきました。実際の効果は、発酵手順などを含めて新城工場での操業で確認することになります。この点は、法的に臭気指数で縛られていますので、法を無視した操業を許さない新城市の対応が求められます。

 ⑤点目です。この点については僕自身の疑問が解消していません。タナカ興業が入札で入手した土地には、競売前までは買戻し特約(県と倒産した㈱ケンメイとの間での契約条項、㈱ケンメイが予定通りの事業を行わない・無断での転売などを行った時に県が買戻しできる権利を定めたもの)が残っていました。入札前に、裁判所から「買戻し特約の権利の行使の有無」を確認されましたが、県は即座に「行使しない。落札業者の求めに応じて買戻し特約の解除をする」と回答していました。この点は、僕自身が一般質問で質しましたが、「法的に問題ない」と県の説明を繰り返すだけで、納得できる説明はありませんでした。

 以上の流れの中で、僕は取り組んできました。委員会視察報告は公開してきました。1年前には、議会としての活動報告(産廃対策会議にて)、議員全員がふるさと会館にお邪魔し、産廃問題に対しての説明会も行っています。僕たちが持っている情報は極力公開してきたつもりです。今年の9月議会終了後の議会報告会でも、議会の現状判断を報告しています。

 住民投票・市長リコールは、法的な問題は何も問うていません。穂積市長の道義的責任と新城市の将来不安への解決策を問うてきました。市民自治を強調する市長だからこそ、道義的な責任は重いと考え、将来不安に対して声を挙げる市民の声に耳を傾けない姿勢が問題だと判断したのです。そのために、市長・議会に声を挙げ続けたのです。その声を無視し続けられたから、最後の手段に訴えたのです。何十種類のチラシを手配りしたり、新聞折り込みをしました。市民向けの説明会も市内各所で度々行いました。自分たちができる範囲で、全市民に向けて情報発信しました。できるだけ、思い込みを排除してきたつもりです。当然、考え方の違いは前提の上で、議論を求めました。求めた相手は、全市民・市長・議会に対してです。市民自治を上る大きなステップだったと考えています。

 産廃問題は、タナカ興業の操業は法的な問題、市長・議会に求めたものは道義的な問題です。産廃問題は、問題が混同されてしまったと考えています。法的には、食品リサイクル法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)、肥料取締法、土壌汚染対策法、水質汚濁防止法、関連する条例・通達など様々なこれまでの市民運動の到達が関係しています。タナカ興業に対しては、これらの法律に基づいて議論を繰り返し行うべきでした。「企業責任を果たせ」と阻止団体は強調しましたが、自らは話し合いを拒否し、相手を非難するだけでは、余りにも一方的な対応ではなかったでしょうか?当たり前なことですが、法的な問題が無ければ操業認可は下りてしまうのです。「認可するな」といくら言っても、それだけでは県の対応は変わるはずもありませんでした。法律が完璧なものとは思いませんが、法律はこれまでの先人たちの努力の成果です。

 タナカ興業の事業は、食品リサイクル法に基づいています。全国の有用な資源(食品の廃棄)が、膨大なごみとして廃棄されている現状を解決するために、企業の責任を明らかにしました。施行されて15年余が過ぎました。法の問題点を解決しながら進んできたと思います。市民としても、有用な資源の循環サイクルの確立のために、問題点を明らかにしなければなりません。タナカ興業問題は、何が問題かを市民間でも議論する機会であったと思いますが、感情が先行し、冷静な議論ができないまま2年が過ぎてしまいました。どれだけの情報が市民に提供されたのでしょうか?正確な情報ではなく、不安を煽る情報が横行していました。阻止団体が、例えば上記⑤点の情報を正確に伝えようとしていたとは考えられません。住民投票・市長リコール運動との大きな違いがここにありました。

 僕が、操業阻止団体と一致できる点は、市長・議会が責任を果たしていないという点です。この点で、市長リコール運動を一緒に行いました。上記⑤点目の「買戻し特約の解除」の件は、市長は県の説明を繰り返しただけ、議会は「議会の権限範囲外」と問題にしませんでした。市長への不信の原点が、ここにありました。この問題に対しての逃げの姿勢が、市長への「産廃を呼んだのは市長では?」という疑問を生んでいたのです。市長自ら、市民の心配の声を受けとめるべきでしたが、市長が表舞台から消えることで、市民不安が増幅したとさえ考えています。だから、市長リコール署名宣伝では、庁舎問題と同様に、市民の不安に寄り添わない穂積市長の姿勢を批判していたのです。

 南部の方から、市民では情報が得られないと言われていますが、情報を得る方法は、タナカ興業と市民自身が話し合いを持つべきだったのです。一方的な追及、つるし上げの説明会ではなく、冷静に問題点の有無を明らかにする話し合いが必要だったのです。議会・担当課が、タナカ興業と会えば、「談合している」と非難もされました。何もしなければ、「議会・行政の責任を果たせ」と言われました。結局は、議会としても正確な情報を得ることもできない状態になりました。市長・議会の最初の対応のまずさが、市民不信を呼んだことは否定しませんが、市民自身が、感情だけでなく、冷静な判断をする努力が必要です。相手を非難するだけでなく、冷静に議論を求めて欲しいのです。「タナカ興業と話し合いを持つべき」と言うたびに、「産廃容認議員」と言われ続けました。

 正確な情報を伝えたくても、拒否されることも度々ありました。もう操業は間近です。僕の主張は、2年前から変わっていません。「タナカ興業との話し合いをするべきです」と言いたいのですが、タナカ興業の態度は「現状では市民とは話をしない」です。どうしてこうなったのか、考えて欲しいのです。タナカ興業の何が悪いのですか?僕が産廃問題に関与し始めた時、タナカ興業が一方的に話し合いを拒否していませんでした。事実として、細谷工場での視察、田原市の施肥農地への視察、委員会での説明の実施など、議会への対応は応じていました。しかし、操業阻止運動が進めば進むほど、態度は硬化してきました。なぜでしょうか?話し合いを拒否し、いきなり「幟」「看板」では、タナカ興業でなくても不信を持つのではないでしょうか?市民自らが解決方法を間違えてしまったのではないでしょうか?

 僕が、これまで産廃問題で主張してきたブログを分かりやすくするために、カテゴリーに「産廃問題」を追加して、これまでのブログをまとめました。よろしければこちらもご覧下さい。

posted by 地産池消 at 22:38| 愛知 ☀| Comment(31) | 産廃問題 | 更新情報をチェックする